幼児保育学科/専攻科

Department of Early Childhood Education

特別支援教育(保育のスペシャリストになるための特別な学び)

インクルーシブ保育の現場で活かせる
星美の特別支援教育

全国でも珍しい!「自閉スペクトラム症」の専門科目がある保育の短大

幼稚園・保育所では、障がいのある子どもの受入れが進んでいます(下記のグラフ参照)。その中で、特に現場では「発達障がい」のある子どもへの支援のニーズが高く、発達障がい児への保育に関する専門性は必須の技能となりつつあります。

幼稚園・保育所で支援のニーズが高い発達障がい(LD、AD/HD、自閉スペクトラム症 )の授業が充実しています。「自閉スペクトラム症」を中心的に学べる専門科目が設置されている全国でも珍しい保育の短大です。

【科目名】

  • ・自閉スペクトラム症者の心理・生理・病理
  • ・自閉スペクトラム症者の支援

「自閉スペクトラム症者の心理・生理・病理」で基礎知識を学んでから

子ども一人ひとりのニーズに合わせた教材作りに挑戦!!

*インクルーシブ保育
障がいの有無や国籍などの違いにかかわらず、すべての子どもを受け入れ、保育すること

障がい・特別に支援を要する園児(経年比較)

ベネッセ教育総合研究所「第3回幼児教育・保育についての基本調査」(2018年)
図1-7-1 障がい・特別に支援を要する園児(経年比較)より
※「いる」の% ※経年比較は幼稚園・保育所のみ

「発達障がい児保育ベーシックプログラム」と「特別支援学校教諭(二種)免許状」の違いについて

  特別支援学校
教諭免許状
発達障がい児保育
ベーシックプログラム
資格概要 障がいのある子どもたちが通う特別支援学校の教員になるための教員免許状(本学では幼稚園教諭免許状の取得が必要条件) 保育現場で支援のニーズの高いAD/HD、自閉スペクトラム症など発達障がい児について専門的に学ぶ本学独自のプログラム
カリキュラム内容 知的障がい児・肢体不自由児・病弱児を教育する技術 発達障がい児を支援する技術
こんな人におすすめ 専門的な障がい児支援の現場への就職をめざす人 幼稚園・保育所などの保育現場への就職をめざす人
実習 特別支援学校での教育実習 1回
(約2週間)
特別支援学校での教育実習や保育現場での実習はなし

「発達障がい児保育ベーシックプログラム」は、幼稚園教諭(二種)免許状と保育士資格を取得見込みであれば受講することが可能です。修了試験に合格すれば専門性の証である修了証を授与します。

「発達障がい児保育ベーシックプログラム」を履修すると、「発達障がいのある子」の保育についての基礎的な専門性を身につけることができます。併せて、「特別支援学校教諭(二種)免許状」の取得により、特別支援学校への就職や、保育所や幼稚園の「特別支援教育コーディネーター」を目指すことができます。

特別支援学校教育実習では、肢体不自由部門で実習をさせていただきました。お手洗いの介助中、避難訓練の告報が鳴り、指導教諭の先生から「安全を守るために、児童に覆い被さるように」と指導を受けました。「そこには命を守る使命があるのだ」とこの仕事のやりがいと重みを痛感しました。また、短大での学びや実習経験によって、児童の実態を把握しながら教材研究をする大切さについても感じることができました。一人ひとりに合わせた支援策を考えるための知識や引き出しが少しずつ増えてきていると思います。
「子どもの最善の利益を考えられる保育者に!」。この目標に向かって努力を重ねていきたいと思います。

A.M.さん
幼児保育学科 2年
東京都/東洋女子高等学校出身
めざす免許状・資格

幼 特 保 べ

全国でも珍しい!!
保育の短大で学べる「特別支援」のカリキュラム

(1)カリキュラムの特徴

視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、肢体不自由、病弱、発達障がいそれぞれを学ぶ授業が多数設置されています。特に、幼稚園・保育所で支援のニーズが高い発達障がい(LD、AD/HD、自閉スペクトラム症)の授業が充実しています。なかでも、「自閉スペクトラム症」は、社会性やコミュニケーションにおいて支援が必要な障がいであり、支援ニーズが高い障がいであるといわれています。この「自閉スペクトラム症」を中心的に学べる専門科目が設置されている短大は、全国でもめずらしいといえます。

(2)授業の進め方

①初めてでもイメージしやすい講義

障がいのある方の生活・体験をイメージするために、映像やマンガなどを活用しています。さまざまな年齢、障がい種の方の「生の声」を学べるように工夫しています。

②一人ひとりのニーズに合わせた教材づくり

特別支援学校の教材に触れ、実際に作る学習が行われます。教材づくりでは、障がいのある子が目で見てパッとわかる教材や、子ども一人ひとりの特徴を理解し記録する教材などを中心に行います。特別支援教育の場合、子ども一人ひとりの特徴を踏まえて教材づくりをする必要があります。

③現場でいきる実践的な授業

基本的な知識・技術を学んだあとは、「答えを教えてもらう」のではなく、シミュレーションや事例検討など「自ら考える」形式の実践的な授業を行います。

「発達障がい児指導法演習」では、子ども役、保育者役、保護者役にわかれて実演するロールプレイを通じてさまざまなことを学びます。保育者役の場合は「どのように対応すればよいのか」、子ども役や保護者役の場合は「こう感じているんだな」などと実感を持って考えることができます。
私は、幼稚園教育実習の際、活動の中でずっと座っていることが苦手だったり、教室を飛び出していってしまったりと支援を必要とする子どもに出会いましたが、授業で支援を必要とする子どもとの関わりについて学んでいたため、積極的に関わり、対応することができました。最終日にその子どもが「また来てね」と声をかけてくれてとても嬉しかったです。
星美学園短期大学は、特別支援教育についても詳しく学ぶことができるため、子ども一人ひとりを尊重し寄り添う気持ちなど、保育者として大切なことを学ぶことができます。

M.R.さん
専攻科 幼児保育専攻
埼玉県/東京成徳大学深谷高等学校出身
めざす免許状・資格

幼 特 保 べ ベビ

星美では、保育現場で出会う発達障がい児への具体的な保育の方法を実践的に学ぶための発達障がい児保育ベーシックプログラムを受講することができます。障がいの有無にかかわらずすべての子どもを受け入れ同じ場所で保育するインクルーシブ保育の考え方や、発達障がい児をより深く理解するための事例検討を通して、保育現場で今、もっとも必要とされている発達障がい児の保育に関する専門性を身につけることが可能です。

竹森 亜美先生

特別支援学校教諭免許状を取得するための「特別支援学校教育実習(定員約20名 選抜対象条件)」

障がいのある子どもたちを指導・支援する教員になるための免許状。基礎免許として、幼稚園教諭免許状の取得が必要条件となります。

対象学生 2年次にて「特別支援学校教育実習」の履修を希望する学生は、1年次の2月に行われる選抜を受けることができる。
選抜スケジュール
1年次
12月 選抜申込締め切り  2月 選抜(成績認定後)  3月 実習学生発表
選抜方法

選抜方法は①~④の総合点で審議の上、決定する。

  • ①GPA(Grade Point Averageの略で、各科目の成績を平均した数値)
  • ②幼稚園教育実習1年次実習評価
  • ③特別支援学校等のボランティアへの参加
  • ④実習関連の提出物

※授業欠席や遅刻が目立つ場合は、基本的に選抜の対象外となる。

保育現場が最も重視する
「特別支援教育」の専門知識

保育現場の先生方が、最も勉強しなければならないと感じている研修内容について、「特別支援教育に関する知識と技術」が圧倒的に高いことが調査でも示されています。

保育者にとって特に必要だと思う研修の内容(園の区分別に上位5項目)

ベネッセ教育総合研究所「第3回幼児教育・保育についての基本調査」(2018年)
表 3-3-1保育者にとって特に必要だと思う研修の内容(園の区分別に上位5項目)より
※複数回答 ※同じ項目は同じ色にしている ※「その他」を含めた21項目のうち、区分ごとに上位5項目のみ表示

多くの保育所や幼稚園で障がいのある子どもが保育を受けるようになりました。その中で、特に「発達障がい」のある子どもが増えています。発達障がいの子どもたちは一見集団になじみにくく「困った子」と捉えられがちですが、周囲の大人以上に、子どもたち本人が何かに「困っている」のです。保育者には、「発達障がい」のある子どもの保育に関する専門性が求められています。

特別支援教育座談会 なぜ「保育」に「特別支援の学び」が必要?その深〜いヒミツ

特別支援に関するQ&A

特別支援教育・特別支援学校教諭免許状について

特別支援教育とは何ですか?
特別支援教育とは、障がい等により特別な支援を必要とする子どもたちが在籍するすべての学校(幼稚園・保育所から高等学校の通常学級を含む)において実施される教育支援のことです。子ども一人ひとり教育的ニーズを把握しながら適切な指導を行うことによって、その子どもの自立と社会参加を支援します。
特別支援学校とは何ですか?
平成19(2007)年度から、これまでの盲学校・聾学校・養護学校が統合されて特別支援学校となりました(1つの学校で複数の障がいに対応することも可能となる)。障がいのある児童・生徒に対し、幼稚園・小学校・中学校・高等学校に準じる教育や、障がいによる困難を克服するために必要な知識・技能などを養うことを目的とした学校です。
特別支援学校教諭免許状を取得することによって何かメリットはあるのですか?
平成19(2007)年度から、幼稚園・保育所においても特別支援教育が行われるようになりましたが、多くの幼稚園・保育所には専門教育を受けた先生は、まだ少ない状況です。したがって、特別支援学校教諭免許状の取得は、特別支援教育に関する専門教育を受けた証として、幼稚園・保育所の就職に有利になると思われます。その他に、勤めるにあたって有利な職種としては、特別支援学校の臨時的任用教員、小・中学校の特別支援教育支援員などがあります。また、保育士資格を取得し、障がい児施設に就職する場合にも、有利になる場合があります。

(参考)臨時的任用教員:特別支援学校における欠員補充や、休職、病気休暇、育児休業等で勤務することができない教員や育児短時間勤務をする教員の代替としての非常勤職員。
特別支援教育支援員:通常の小・中学校で、障がいのある子どもの日常生活や学習活動のサポートをする職員(一般的に非常勤)
特別支援学校教諭免許状の一種と二種は、どこが違うのですか?
学士の資格によって取得できるのが一種、短期大学士の資格によって取得できるのが二種です。
特別支援学校教諭免許状をとるための条件はありますか?
幼・小・中・高の教員免許状が基礎免許状として必要となります。よって、本学で特別支援学校教諭免許状を取得する場合、まずは「幼稚園教諭(二種)免許状」を取得できるように努めて頂くことになります。
臨時的任用教員ではなく、特別支援学校の正規職員になることはできますか?
特別支援学校では、幼稚部の設置が非常に少ないため、ほとんどの都道府県では正規職員になるために、基礎免許状として小・中・高等学校のいずれかの教員免許状が必要となります。正規採用を目指す人のために、本学では星槎大学との教育連携により、小学校教諭(二種)免許状を取得することができるようになりました。小学校教諭(二種)免許状を取得した後、各都道府県の教員採用試験に合格すれば、特別支援学校の正規職員になることが可能となります。

授業について

どのような授業を行っていますか?
(1)設置されている科目について
視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、肢体不自由、病弱、発達障がいそれぞれを学ぶ授業が多数設置されています。特に、幼稚園・保育所で支援のニーズが高い発達障がい(LD、AD/HD、自閉スペクトラム症)の授業が充実しています。なかでも、「自閉スペクトラム症」は、社会性やコミュニケーションにおいて支援が必要な障がいであり、支援ニーズが高い障がいであるといわれています。この「自閉スペクトラム症」を中心的に学べる専門科目が設置されているのは、全国でも珍しいといえます。

(2)授業の仕方について
授業は、パワーポイントによる講義や、特別支援学校の教材に触れ実際に自分で作るといった授業が行われます。講義では、映画やDVDなど映像を使い、障がいのある方の生活を題材とした小説やマンガなども活用して、受講者がイメージを持ちやすいような工夫をしています。教材づくりでは、障がいのある子が目で見てパッとわかる教材や、子ども一人ひとりの特徴を理解し記録する教材などを中心に行います。特別支援教育の場合、子ども一人ひとりの特徴を踏まえて教材づくりをする必要があります。これらの基本的な技術を学んだあとは、「答えを教えてもらう」のではなく、「自ら考える」形式の授業に移行していきます。

実習について

特別支援学校教諭免許状を取得するために、どのようなところに実習に行くのですか?
障がいをもつ子が通う「特別支援学校」で実習をします。実習では、小学校低学年~高校生まで幅広い年齢の子どものクラスで学ばせて頂きます。実習校は主に、東京都、埼玉県、千葉県にありますが、実習生の住所を考慮して短大の方で実習依頼を行い、学生の希望や通勤時間を考慮して配置します。
実習はいつ、どのくらい行けばよいのですか?
特別支援学校に2週間の実習に参加します。また、実習の時期は、2年次の10-12月の間2週間となります。